いっさくこんぴを例に合作の進め方を紹介する


ヴァイオリニストの松本一策さん(@issaku_m)が企画されたコンピレーションアルバム、いっさくこんぴに参加させて頂きました。
参加者の楽曲すべてに、一策さんが演奏される生ヴァイオリンをつけるというとんでもないコンピアルバムです。
僕は今回、長らくお世話になっているItsuki(@itsuki_amakusa)さんと合作で楽曲を提供させて頂きました。

先日デモを公開したので貼っておきます。

このいっさくこんぴの楽曲制作を通して、合作の進め方と、進める上で重要なことを書いていきたいと思います。

相手を誘う

合作をするために、相手を誘います。

誘う前の準備

ちゃんとした目的を持って曲を作るためにも、なぜその人と合作をするのか決めておいた方がいいです。
いっさくこんぴでは、ヴァイオリンのメロディは僕が書くよりもItsukiさんが書いた方が素敵な曲になると感じたため、合作をお願いしました。

もうひとつ、合作に参加することで、相手にとってどんなメリット・デメリットがあるか明確にしておきましょう。

いっさくこんぴは、作ったソロヴァイオリンのパートを演奏してもらえます。これは打ち込みで曲を作っていくDTMerにとっては貴重な経験です。今まで何となくで打ち込んでいたパートが、実際に演奏するとどのように聞こえるか知ることができます。

注意すべき点は、初回提出までの期間が1か月程度だったので、その間は密に連絡を取る必要があることでした。

お誘いの連絡を送る

以上の点をふまえ、TwitterのDMに合作のお誘いを送ります。正直ドキドキです。
先ほど考慮した点をきちんと相手に伝え、合作可能かどうか判断してもらいます。

今回はDMで送りましたが、仲の良い間柄であれば直接話した方がいいと思います。
文章では伝えきれない部分や、誤解を招く可能性もあるので、直接話した方が確実です。

制作前に打ち合わせをする


Itsukiさんから快諾頂いたので、一度ボイスチャットで事前の打ち合わせをします。ボイスチャットはSkypeでもDiscordでも、なんでもいいと思います。

曲の方向性を決める

まず、今回どういった曲を作るのか話し合いました。
話題は次の通り、

  • 得意なジャンル
  • 最近気に入っている曲
  • コンピとして重要なこと
  • 作る曲のBPM

得意なジャンルは言わずもがな、最近気に入っている曲は挑戦してみたい曲でもあるので、お互い曲を紹介しあいながら方向性を詰めていきました。

また、いっさくこんぴは一策さんにヴァイオリンを弾いて頂けるので、「弾いてて楽しいメロディパートを意識しよう」というのが、大きなテーマになりました。ステージで一策さんが演奏しているのを想像しながら制作を進めていくというイメージが固まりました。

お互いの得意な分野からItsukiさんがメロディとコードワーク、僕がアレンジとミックスを担当することも決めました。

さらに、今回のコンピはアコースティック・クラシック系の作曲者の方が多数参加されていたため、かぶってしまわないようにダンスミュージック系の曲に仕上げようということも事前に決めました。

担当分野の分け方

合作でお互いがどの部分を担当するか決めるのは結構重要です。
特に、片方が作りこみすぎてしまって、もう片方の手を入れる場所がなくなるといった場合、この担当分野が明確になってない場合が多いです。
担当分野の分け方でよくみられる方法は、

  • 作曲・編曲で分ける
  • 楽器別に分ける
  • パートで分ける(Aメロ担当・Bメロ担当等)

この中で一番簡単なのが作曲・編曲で分けることだと思います。理由はデータの受け渡しが楽だからです。作曲担当の方は、編曲担当にMIDIだけ渡せば済みますし、編曲担当はそのMIDIをもとに打ち込むことができます。

それ以外の方法は、MIDIとオーディオが混在するため、ファイルの管理がややこしくなります。同じDAWを使用していても、所持していないプラグインは開けないため、データの受け渡しはオーディオが中心になります。

最後のパート別で分ける方法は、楽曲の雰囲気を統一するのが難しいです。よほど作風が似ているか、編曲力が高く、寄せる力を持っていないと、急に変わった感じが出てしまいます。

また、合作は最初に作り始めた人の色が強くでやすいです。あとから作る人は、どうしてももらったデータに合わせる形になるためです。

曲を作っていく


実際に曲を作り始めます。
今回は最初にItsukiさんからサビのメロディパートを頂きました。それをもとにアレンジを作りこみItsukiさんに返し、今度はBパート……という風に進めていきます。

実際にボイスチャットを使用して進めていくのは、週末に1回程度の頻度でした。
このとき、今どこで止まっているか、どこで悩んでいるか、どうやったら強い音になるかを相談しながら決めました。

少しお堅く書いてしまししたが、実際にはうだうだ無駄話もしながら進めてます。

制作中に大事なこと

まず、相手の担当分野には深く介入しないことが大事です。多少意見を出すのは問題ありませんが、あまりにダメ出ししたり、無断で大きく改変したりすると、空気が悪くなってお互いのモチベーションがダダ下がりします。マジで。

次に、相手からもらったデータで良いと思うところは褒めちぎりましょうモチベーションが上がります。

とにかく、お互いのモチベーションを維持し続けることが大事です。

合作のメリットとは

そんなこんなでItsukiさんとキャッチボールをしながら曲が作れました。最終的には最初のテーマで上げた、弾いてて楽しいメロディパートを作るということも、達成できたんじゃないかとも思います。
Itsukiさんとは何度か合作をさせていただいているのですが、その経験から合作の良さを語っていきます。

一人で作ってるよりもモチベが上がる

お互いが褒めあいながら曲を作ることで、曲作りに対するモチベーションが上がります。
また、相手に迷惑をかけてはいけないという責任感から曲を作るようにもなります。

他の人の曲作りの工程が見れる

普段どうやって曲を作っているのか、マウスポチポチ? キーボードを弾いて? メロディから? ドラムから? 音作りから?
いろんな人の作業工程を見て、勉強することができます。
僕はItsukiさんと作業して、「キーボードを弾けるってやっぱり強いな」と思いました。

苦手なところを補完できる

僕はメロディ作るのがかなり苦手なのですが、その点をItsukiさんにお願いすることができてとても楽でした。
送られてくるメロディが大体強い……。
反対に、Itsukiさんもメロディを送ったらアレンジが出来上がるので楽だとおっしゃられていました。
こういう風に苦手な部分を補うことができます。

楽しい

やっぱり、誰かとわいわい言いながら物を作るのは楽しいです。

合作の進め方や意識する点などを書きましたが、最終的に大事なのは相手の曲が好きかどうかだと思います。
お互い尊敬しあいながら、曲作りができるととっても楽しいと思うので、みなさんぜひぜひ色々交流してみてください!