グラフィカルに設定できる空間シミュレートプラグイン『Virtual Sound Stage 2』レビュー


昔から愛用しているプラグイン、parallax-audioの『Virtual Sound Stage 2』
あまり紹介している記事も見当たらなかったのでレビューしてみようと思います。
生楽器系の曲を作っている人で、ステレオ感の調整に困っている人におすすめです。

Virtual Sound Stage 2 の概要

  • グラフィカルに楽器の配置を決められる
  • 空間系のプラグインにしては軽い
  • PRO版とLite版の違いは部屋とマイクの種類の数
  • 同じ方向性のプラグインに比べて安い

設定しやすい、効果が分かりやすいというのがとにかく強みです。

グラフィカルに楽器の配置を決められる

トラックのエフェクトとしてVirtual Sound Stage2をさし、画面上をドラッグすることで、そのトラックの出音位置が決められます。
文章で説明しても分かりにくいので、実際にデモを聴いてもらいましょう。

これがなにもかけていないドライな音

例えばこれを右から鳴らしたい場合、Virtual Sound Stageでこのように設定します。

ただシンボルを選択してドラッグするだけで、楽器の場所を決められます。
音はこんな感じ。

もちろん、左右だけでなく奥行も調整できます。
さっきのをもっと後ろに下げてみます。

こう設定すると、音にも奥行き感が現れます。

さらに面白いのは、楽器の鳴らす方向も変更できることです。
先ほどの音を直接マイクに届けずに、後ろ向きに鳴らしてみましょう。

そうすると、間接的に聞こえる音に変わります。

このような設定を直感的にできるのが、Virtual Sound Stageの良いところです。

複数トラックにも対応

Virtual Sound Stageは複数読み込んだとき、1画面ですべてのトラックの配置が分かります。
また、ほかのトラックの位置を編集することも可能です。
一つの画面で全体を変更できるのは、微調整したときにかなり有効です。

全体の配置をサポートするシートが用意されているため、配置の参考にも使えます。
たくさん起動して整えると、こんな感じになります。


薄い白がテンプレートシート、基本的な楽器の配置を参考にできる。

空間系プラグインにしては軽い

Virtual Sound Stageはコンボリューションリバーブに分類されるエフェクトです。
一般的にコンボリューションリバーブは重いのですが、Virtual Sound Stageは負荷をあまり気にせずインサートできます。

空間シミュレートプラグインとして名前があがるものは、WaveArtsの『Panorama 5』や、Flux::の『IRCAM Spat』等がありますが、軒並み重いです(しかも高い……)。


WaveArtsの『Panorama 5』


Flux::の『IRCAM Spat』、超高機能

僕の場合、CPU負荷が軽いだけで使用頻度はかなり上がります。

PRO版とLite版の違いは部屋とマイクの種類の数

Virtual Sound StageにはPRO版とLITE版の2種類のグレードが用意されており、価格的には1万円強の違いがあります。
この2つの違いはシミュレートする部屋とマイクの種類の数です。
PRO版にはコンサートホールやスタジオ、教会などの9種類の部屋と、14種類のマイクが設定できます。
LITE版は部屋はコンサートホールのみで、マイクは4種類です。
マイクについては詳しくないので、詳細が知りたい方は公式ホームページを参照してください。

アップグレード版も用意されているので、まずはLITE版を試して、
気に入ったり必要になったらPRO版にアップグレードするという方法でもいいと思います。

同じ方向性のプラグインに比べて安い

これを見た人は、有名なオーケストラ音源メーカーであるViennaの『Mir PRO』を想像した方も多いと思います。
正直、Mir Proのパクリといってもいいほど、中身は似ています。


Vienna 『Mir PRO』

『Mir PRO』の売りはなんといっても、Vienna Ensemble Proとの連携です。
しかし、Vienna Ensemble Proを使用していない環境であれば、Virtual Sound Stageの方が機能もそこまで違わず、遥かに安いです。
Virtual Sound StageはPRO版の価格が、¥28,731です(2018/10/14現在)
それに比べてMir Proの価格は¥87,048、さらにこれだけでは使用できずRoom Packを購入する必要があります。
Room Packは一番安いものでも1万5千円程度、高いものなら3万円もします。
おそらく、Mir PROの方が動作の安定性や音の良さは軍配が上がると思うので、湯水のようにお金がある石油王はMir PROを購入すればいいと思いますが、
そうでない方は、Virtual Sound Stageをお勧めします。

まとめ

というわけで、空間シミュレータプラグインのVirtual Sound Stage 2を紹介してみました。
ミックスでステレオ処理に困っている方は、ぜひ導入することをお勧めします。
個人的には、Virtual Sound Stageの残響はできるだけ少なくして、楽器の場所決めに使用しています。残響は別途2CAudioの『Breeze2』なんかで作りこみます。
若干バグが気になる部分もありますが、かなりお気に入りのプラグインです。

公式サイトにデモ版も公開されているので、気になる人は一度試してみてください。

https://www.parallax-audio.com/